植物好きの主婦が始めたガーニング事業

1.今はどのようなお仕事をしていますか
今は個人事業主として、庭の設計と工事、庭管理を主にしています。設計は自分で図面を描いてコンセプトをしたためています。提案書を書いて工事を下請けに出すこともあれば、自分で全部段取りしてやることもあります。基本的に今は個人の庭の仕事は受けていません。過去から管理してる大きな現場があるので、そこを中心に、どうしても断れない現場だけ受けることにしています。

2.どのような経歴ですか
生まれは北海道の月形町という小さな町です。中学から札幌に出て、大学は東京の武蔵野美術短大工芸デザイン科テキスタイル専攻で、テキスタイルを学んでいました。子育て真最中のころ、ガーデニングに興味がわき、近くに専修大学短大造園林学科の社会人枠で、週一回ぐらい通い人脈を作りました。
1995年生産直販園芸店「コテージガーデン」起業。タネ播きから販売、ガーデンデザイン、工事を行ってきました。その後たくさんの事業を展開しましたが、2020年有限会社コテージガーデン代表取締役を退任。2020年「あゆみデザイン」開業。現在はフリーランスとしてノーザンホースパーク、ノーザンファームを中心に、ガーデンデザイン、ガーデン管理、植物関係、その他関連する事業への提案などを行っています。

3.どのようなステップで開業されましたか
卒業後にすぐ結婚してしばらく専業主婦でした。4人の子供がいるのですが、一番下の子が3歳、38歳ぐらいの時に、自分でタネ播きした花苗を売り始めました。3万円が資本金です。これが結果的に起業につながったんです。趣味だったガーデニングが、当時ブームが来たこともあって、仕事に繋がったような流れです。断らないできたら、いつの間にか仕事が増えました。2005年に、法人成りして更に事業も増えました。その後、2019年の3月に第三者承継でスタッフに会社を渡して、私は個人事業主に戻った形になりました。

4.独立時に不安だったこと.苦労したことは
はい、ありました。やっぱり人を雇うことが大変だったことと、金銭的にも資金が潤沢にあったわけじゃなかったので。北海道は半年閉ざされて仕事がないことがハンディとなる土地柄。造園の仕事もなく、閑散期はハウスの管理だけになります。でも従業員を抱えているから、結構たいへんでした。でも充実はしていて達成感は味わえましたし、仕事は楽しかったです。仕事は順調に増えて、あまり高望みもせず等身大でやってきた感じです。

5.今仕事ができている成功要因は何だと思いますか?
やはり人脈ではないでしょうか。
一回リタイヤした私ですが、その後の仕事はそれまでのつながりにおいてできた人脈によります。今は、私でなければ、というところの仕事をさせてもらっています。今はもう以前のように自らアクティブに動くというより、コンサル的役目が多いです。これまで培った経験を活かしながら、若い人を育てたり、つなげたりしています。
それには何より健康が第一です。今の仕事は屋外の仕事とデスクワークがバランスよくあります。外で仕事をしていると、よく歩くので1日15000歩も珍しくありません。体を動かし、光を浴び、自然の恩恵も受けます。この仕事を一生続けると思います。

6.これからどのようなライフスタイルを過ごしたいですか
今まではお客さんの理想を叶えるべく様々な調整に気を使ってきましたが、リタイヤ後は自分の庭を好きなように作っています。自分の庭を作るのは最高です。設計変更は自由ですし。子育て時代は、仕事も激務で子どもたちを食べさせるだけで必死でした。その時に、やりたかったこと、できなかったことを、今思いっきりやっています。台所しごとや、家のことがとても楽しい。
適度なストレスと、自分のペースで仕事する。また、ちょこまか動きをする庭しごと、台所しごとはシニアの私にはちょうどよい運動になります。少ない年金ですが今は使わず貯めています(笑)。年金以外に今自分が必要な収入があるのはとてもいいことだと思います。気がねなく生活をエンジョイできます。私はYouTubeもやっています。ついていくのが必死ですが若い世代と交わるのも楽しいです。さらに次の世代を育てることなど、まだまだ色々と興味がつきません。今の瞬間を楽しんでいこうと思います。

梅木さんのお庭
四季折々の花に囲まれて

梅木あゆみさん ガーデンデザイナー 北海道月形町 2009年度北海道「輝く女性のチャレンジ賞」2010年度内閣府「女性のチャレンジ賞」受賞。

 https://www.ayumiumeki.com

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